最近、マルクス・アウレリウスの『自省録』を読んでみました。彼はローマ帝国の皇帝でありながら、とても人間性の深い人物でした。この本は、そんな彼が夜な夜な自分を振り返りながら書き綴った、いわば「哲学的な日記」のようなものです。

内容の多くは、自身の葛藤や苦しみについて。彼は、 「自分の悩みなんて、宇宙の広さや歴史の長さから見れば取るに足らないものだ」 と考え、悩み続けることの無意味さを説いています。また、名声や富に対する執着についても、 「そんなものは儚いもの。だからこそ、こだわっても仕方がない」 という姿勢を貫いていました。

驚いたのは、こうした考え方が、現代の自己啓発本とほぼ同じだったこと! 数千年の時を経ても、人間の悩みはあまり変わらないんですね。むしろ、「どんなに偉くなっても、人は同じようなことで悩むものなんだ」と思うと、ちょっとホッとしました。

歴史上の偉人が、現代の私たちと同じように悩み、考え、それでも前向きに生きようとしていた。そう思うと、『自省録』はただの哲学書ではなく、「悩める私たちにそっと寄り添ってくれる本」なのかもしれません。